ChessBoxingの長文書くとき用ブログ

ちぇすぼ@シャドバ勢

≪暴走≫する戦車・オルオーンというカードについて思うこと。中立派の意見。

 

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●初めに

 

事の起こりは、2020年6月18日です。

ある1枚のカードがShadowverse第17弾拡張パック
Fortune's Hand / 運命の神々」にて実装される予定であるという、公式からの発表がありました。

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https://twitter.com/shadowverse_jp/status/1273583177978658816
https://twitter.com/shadowverse_jp/status/1273583378722246657

《戦車》・オルオーン」ならびにそのエンハンスでプレイできる
《暴走》する戦車・オルオーン」というカードですね。

これがなかなかインパクトの強い能力を持つカードでして
界隈の方々から賛否を巡って様々な意見が飛び出す、という事態になっているようです。

 

しかしその、ここ数日各所でバチバチに行われている論争の中で、オルオーン肯定派の意見とオルオーン否定派の意見が、ぶつかり合っているようで、その実各々が微妙に違うベクトルで話しているように思えてなりません。

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 なので自分なりに、解説というほどでもないんですが、この件について思うところをまとめてみました。

(結構長い記事になってしまいましたので、お時間のない方は一番最後の「まとめ」だけでも目を通していただけたらと思います。)

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●目の前にいる人と、話の方向性が噛み合っているかを確認しよう

 

まず「違うベクトル」とはなんぞや?
ということを説明するためにちょっと例え話をするのですが

私は「ロイヤルセイバー・オーレリア」というカードにプレミアムオーブを投入して
で、それを友人に「どうよこれ綺麗でしょ~可愛いでしょ~」って自慢したことがあるんですね。

でもその友人は「え?お前そんなんにオーブ使ったの?マジ?ローテじゃもう使えないしアンリミでも雑魚じゃん。そんなのよりセリアとかにオーブ使おうよ。どんなロイヤルにも3枚採用されるし、絵柄も3種類あってお得だよ?」なんて言ってきたんです。

 

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友人の言うことも確かに一理あるのですが、私としては「性能」とかではなくオーレリアの「イラスト」が好きで、ただキラキラさせたくてプレミアムオーブを使ったので、弱いとか使えないとか、そんなことは一切関係ないわけです。

 

それと同じようなことで
「オルオーンというカードは強いと思う or 弱いと思う」という意見
「オルオーンというカードは好きだ or 好きではない」という意見
ごったにするべきではないと考えます。

 「"強い or 弱い"で語る人間は、おかしい!
"好き or 嫌い"で語る人間は、話が通じない!
なんて言い合うのも、やめたほうがいいです。

 それがこの「オルオーン論争」について語る上での、大前提になってくると思います。

 

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●身のある話し合いをするために、争点に照準を合わせる

 

そしてハッキリ言いますと
「好き/嫌い」のベクトルで言い争いをするのは、これは非常に不毛なことです。

 「サラダにトマトが乗ってる!俺トマト嫌い!」
と言われても、好きな人としては「そうか。わかった」としか言えないですよね。

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トマトおいしいと思うけどな~。味もいいし、食べやすいし、ミニトマトとか果物みたいじゃない?」なんて言っても

口の中でプチュッ!グチュッ!てなるのが嫌なの!味とかじゃないの!ミニトマトとかもう最悪!」と返されてしまったら、もうそれ以上なにも話すことはありません。
個人個人に食べ物の好き嫌いがあるのは、仕方のないことです。

 

しかしこの「嫌い」が高じて
「サラダ注文したらなんか勝手に俺の嫌いなトマト乗せられてんだけど?俺トマト食いたくねえからさ、返すわ。で、トマトの料金分、別の野菜乗せてくんない?」

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つまりシャドバ(サラダ)は好きだけど、オルオーン(トマト)だけが気に喰わないから、実装しないでくれ
「オルオーンなんかより、もっと堅実に活躍できそうなレジェンドカードが欲しいんじゃい!別の商品を寄越せ!」
というような意見になってくると、これはもうユーザー同士の話し合いで解決できるような事柄ではありません

公式HPから意見・要望を送るか、もしくは消費者庁に相談するなどの行動をとらないと事態は前に進んでいかないと思われます。

 

ですから、ユーザー同士でオルオーンについて話すときはどちらかというと
「強い/弱い」のベクトルで話したほうが良いです。

そしてそこから少し掘り下げて
オルオーンというカードが「"超えてはいけないライン"を"超えた"のか、"超えていない"のか」

つまりオルオーンというカードの登場でシャドウバースの中の
「"運の要素"が占める割合が一気に"大きくなった"のか、"大きくなっていない"のか」
という感じで議論をするといいのかな、と思います。

(でもまぁそれも最終的には個人の感じ方の違いになってきちゃう気はしますけどね)

 

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●運が絡むゲーム/絡まないゲームの善し悪しについて

 

そしてそういう議論をするときに
「シャドバなんてオルオーン関係なく元々運の要素が強いゲームだろ」
と言う方や
「そんなに運が絡むのが嫌なら将棋みたいな"運が絡まないゲーム"をすればいいだろ」
と言う方がいるのですが

この言い分はちょっと横暴だしナンセンスだよ、というお話からさせていただきます。

 

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 まずカードゲーム自体が「運の要素が強いゲーム」であること、これは否定しません
デッキから引いたカードが、その場面場面で有用に働く物か、否か
また対戦相手が使用するデッキとの相性差などもありますし
(件のオルオーンもそうですが)効果の対象がランダムに選ばれるものもあります。

カードゲームを構成する多くの要素に「運」が関わってきますから、カードゲームの試合内容を自分の思うままに完全にコントロールするなんてことは不可能なわけです。

勝敗・成績に対して、運が大きなウェイトを占めてきます

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が、しかしそれは「1ゲーム、1試合に限ったとき」の話。
短期的な目線でゲームを捉えたときの話です。

運の要素が絡んでくるゲームでも、その試合数(試行回数)を増やすことによって
運の要素によって左右されない部分、つまり"デッキ構築"や"プレイング"によって勝率に明確な差が生まれてくるものなのです。

 

雀荘なんかにいくと、中年のオッチャンが
「俺半荘1回だけどプロと打ったことあってさ~、そのときトップ取っちゃったんだよね~エッヘッヘ!」なーんて自慢してくることがまぁ稀によくあるんですが

素人のオッチャンが勝てたのは「1ゲーム」という短いスパンでの勝負だったからであり
いくら運の要素が強いゲームだからといっても、何百局も何千局も対局を重ねることになると
「効率の良い打牌」や「守備的な打牌」や「和了率や打点などを加味した、総合的な期待値計算」
などの技術や知識があるプロ雀士の成績の方が、圧倒的に上回っていくことになるのです。

(しかしだからと言って、オッチャンに上記のようなことをマジレスしてはいけません。オッチャンもそんなことは本当はわかっているので、ショボくれてしまいます。
「マジか~!プロ相手にトップってオッチャンすげえな!あれ?でもさ、そのオッチャンに今日俺が勝ったら、俺が最強ってことになるんじゃね?はい、それロンですわ~」
なんて軽く返しておくのが、麻雀を楽しく打つコツです。)

 

やや脱線しましたが、要するに語るべきなのは
「オルオーンというカードの登場で、シャドウバースの中で"運の要素"の占める割合が大きくなりすぎてしまったのか?」
「プレイングやデッキ構築といった"運が絡まない"部分では、覆すことができないほど大きくなってしまったのか?」
「それは短期的ではなく長期的に見ても、覆すことができないほど深刻なレベルに達してしまったのか?」
ということだと思います。

 

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●将棋の世界はあなたにとって天国か、地獄か

 

続けて
「そんなに"運が絡む"のが嫌なら将棋みたいな、"運が絡まないゲーム"をすればいいだろ」
と仰る方への説明をします。

 

まず整理から入りますと「運が絡むゲーム」というのは
トランプ(ババ抜き・七ならべ・大富豪)、麻雀、すごろくなどのゲームが該当します。
デジタルカードゲームも、言わずもがなそうですし
世の中にある大抵のゲームは、大なり小なり運の要素が含まれているものです。

 

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対して運が絡まないゲーム(正式には、アブストラクトゲーム・二人零和有限確定完全情報ゲーム、なんて言います。カッコイイ)には将棋・チェス・囲碁・オセロ(リバーシなどが属しています。

 

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どちらも面白いゲームが揃ってはいるのですが
しかし現実的に、大衆に気軽に親しまれているほう、多くの人がプレイしやすいと感じられているのは圧倒的に「運が絡むゲーム」のほうですよね。

 

何故そうなるかというと、将棋のような「運が絡まないゲーム」で勝つこと、上を目指すことには
大抵の場合、大変な労力("苦痛"と言ってもいいでしょう)を伴うからです。


将棋の世界は運が絡まず全ての情報が開示されている上、1対1で行うゲームですから
敗因を探るとき、負けたときに何が悪かったのか?と考え始めると
「100%、自分が悪い」という結論に至るしかないというのが、その原因です。

「私は将棋に負けた。なぜか?」
・自分の実力が、相手より劣っていたからだ。
・自分があの場面で、悪い手を指したから負けた。
・自分の知能が低いせいだ。
・自分の知識が足りないせいだ。
・自分がうっかり者のせいだ。
・自分が相手より深く考えるのを怠ったせいだ。
・自分が定跡書の内容を正確に覚えていなかったせいだ。
・自分の思考能力が足りず、制限時間内に正着手を思い浮かばなかったせいだ。

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 という風に、自分を責めるしかないのです。
他の誰も、何も、責められません。心の逃げ場はどこにもありません。
全ての敗因は、自分一人で受け止めなければなりません

 運が絡むゲームであれば、多少ミスをしてもそれを巻き返せるような「運」を引き込めば、逆転も可能ですが、将棋でミスをしてしまったら、相手がそれ以上のとんでもないミスをしてくれない限り、絶対に逆転など出来はしない
というのも心身に負担をかける一因です。

 そこから反省して
「今回は負けちゃったけど」「凹んだけど」「次までにもっと勉強して」「次までにもっと頭を鍛えて」「次は絶対に同じミスはしない」「次は自分の悪かったところを修正して」「次は勝つ!」

と思えるような、意識が高い人間でないと、将棋のようなゲームで思うように勝てるようにはならないんですね。

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(一応、これは憶測ではなく、日本将棋連盟からアマチュア四段の免状を頂いている人間が書いています。隙自語)

 

しかし、ゲームというものは大半の人間にとっては「娯楽」「息抜き」「暇潰し」でしかありません。遊びで負けたからといって、自分を責めたり、反省したり、ましてや多くの時間を割いてそのゲームについて勉強する、なんてことを、普通の人間はしたがらないのです。

ですから勝負に負けたときに
「ああ、負けちゃった。今回は運が悪かったなぁ」というところから転じて
「負けたのは俺のせいじゃない。俺だけが悪いんじゃない。運が悪かった

という具合に自分に言い訳が出来て、心の安定が保てる。自分を正当化しやすい。
という性質を持っている「運が絡むゲーム」のほうが
平均的なメンタルを持っている側の人達にとって「優しく出来ている」わけです。

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「運の要素」はゲームに予測不可能な展開や、驚きや、新鮮さ、といった
様々な彩りを与える「スパイス」であると同時に
敗北の悔しさを紛らわせ、精神の安らぎをもたらしてくれる「鎮静剤」のような側面も持ち合わせているんですね。

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(ちなみに将棋のような運が絡まないゲームは、いずれコンピューターに全容が解明されてしまう恐れがあり、解明されてしまうと競技として成り立たなくなる、というやや悲しい現実もあるのですが、これについて語るとちょっと専門的になりすぎてしまうので、この記事では控えます。)


上記のとおり、将棋を面白いと思えて、将棋を上達する気があって、将棋を楽しめるのは一部の"適正"がある人間だけなわけですから大半の人間は、ゲームがしたいなら「運が絡むゲーム」のほうをやったほうがいい、ということになっているんです。適性がない人間が「運が絡まないゲーム」を無理にやったら、ストレスがマッハで溜まっていってしまいます。

 

と、そういうわけで(前置きが長くなってしまいましたが)
「運が絡むのが嫌なら将棋をすればいい」
という言葉でこの議論を終わらせようとしても

「日本の夏ってなんでこんなに暑いの~湿度も高くてジメジメするし~ほんと嫌やわ~」と言ってる人に「北極に住めば?」と言っているようなもので、確かに正論かもしれませんが、それで解決を図ろうとするのは無理筋なのです。

大半の人間には、その選択肢は取れないようになっている、ということを理解していただければと思います。

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(あとは向き/不向き以外にも、将棋にはオーレリアさんのような美しい女性キャラクターなんてものはいなくて、ただただ慎ましやかな盤と升目と駒と駒台で作られた世界が広がっているだけですから、「そんな華がないゲームやりたくねえよ!」という方もいらっしゃるかもしれません。悲しい。)


■補足

ちょっと自分でこの節を読み返してみたところ
「将棋をやってる奴は意識高い系マゾヒストで、カードゲームをやってる奴は言い訳がましい弱虫」というような語り口に見えて、全方面に喧嘩売ってる糞野郎みたいになっちゃってる気がしてきたんですが、決してそういう意図はありません

 「運が絡まないゲームには、運が絡まないゲームの良さがある」し
「運が絡むゲームには、運が絡むゲームの良さがある」ので
どちらをやっているほうが優れているとか、どちらが面白いとかつまらないとか、そういうのは一概には決められないことです。

それぞれ良さがあるので、自分が向いていると思うほう、そのときそのときの自分の心が求めているほうをやろう。
というのが話の趣旨であることをご理解いただければと思います。

私は運が絡むゲームも、運が絡まないゲームもどっちも好きです。どっちも楽しいと思ってやっています。将棋を極めるのは辛いと思うこともありますが、その分勝てたときの喜びも大きいです。

 

また、将棋をガチでやっている方も、自分の心を過度に痛めつけすぎないように
負けたとき「いや~今日は対局に来る前、曲がり角で黒猫が横切ってったんだよな~ありゃ縁起悪かったな~」とか
「昼飯食うとき、いいっていうのに食堂のおばちゃんが大盛りにしてくれちゃって、それでお腹痛くて調子でなかったんだよな~」
なんて言い訳をして、自分を慰めているケースもあります。

 

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●ちょうどいい塩梅を、探したい

 

散々語ってきたとおり、多くの人は「運が絡むゲーム」のほうをしたがるわけです

が、しかし
「これは運の要素が大きすぎるゲームだ」
「私の考えとか選択とか、そういうものが全く及ばないところで勝敗が決まってしまうゲームだ」
というように感じる域まで達してしまうと、これもゲームをつまらなく感じたり、ストレスが溜まっていく原因になってしまう、というのが難しいところです。

 

例えばシャドウバースに「フォロワー 1コスト 20/20(疾走)」なんていうカードが登場したら、これはもう流石に間違いなく非難轟轟になりますよね。

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全力マリガンで狙っていけば、およそ44.7%という確率で初手に引き込める計算になっていますし、先攻有利を助長するなんていうレベルを遥かに超えてますので
これは明らかに運が占める割合が大きくなりすぎだ、と捉える人が多数派になると思います。

 

大衆は運が絡むゲームが好きですし、勝敗に運が絡むのは悪いことではないんですが、絡ませすぎてもいけない
このあたりの「塩梅」が非常に大切で、ゲームデザインをする上で難しい部分になっているのです。

 

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その上、食べ物の好き嫌いと同じで 「運の要素が大きいか/小さいか」というのは個人の感覚にも評価が左右されるので、開発者としてはやりすぎないギリギリのラインを探っていく必要があります。

 

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●実際問題、オルオーンってどのくらいヤバいの?

 

ですが、今回問題になっているオルオーンというカードが「1コスト 20/20(疾走)」なんてレベルのデタラメに強烈な能力を持っているかと言われると、それも疑わしいところです。

飛ばすバーンダメージの大きさ(進化込みで最大20点には目を見張りますが
盤面にフォロワーがいれば、両リーダーの顔面へバーンダメージが飛ぶ確率はグッと下がります

アイギスシールド・アテナ」「ペインレスサムライ」「禁約の黒魔術師(結晶)」
「絆の共振(つかの間の幸福)」「堕落の漆黒・アザゼル

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といったカードでダメージ自体を軽減することもできます。
(……書いてて思ったんですが、ローテの顔面ダメージ軽減カード少なくないですか?他にあったら教えてください。ラブソングシンガーはオルオーンに対して後出ししなければいけないと思うので、除外しています。

ですからアグロ気味に組んだロイヤルの最後の一押しや、手札が枯れてしまったときに最後の足掻きなんかで使うと、勝ちを拾えるときもあるかもしれませんが
現実問題として、オルオーンがランクマッチ環境を支配し、ゲームの勝敗の大部分をこのカードが決めるようになり、オルオーンさんのおかげでロイヤルの勝率/使用率爆上がり!なんてことにはならないはずです。多分。

 

ですが、だからといってまた
「暴走オルオーンはどうせ弱くて使われないんだから、いいだろ別に」
環境で使われないカードなんて無いのと一緒だから、みんなすぐ忘れるよ」
一蹴してしまうのも、ちょっと違うと思います。

 

実際にSNSや掲示板、動画サイトのコメント欄などでは
「オルオーンはやりすぎだ」「ラインを超えてる」「運の要素が強くなりすぎてる」
「キャルやゼウスと比べても、構築を縛らず前準備も要らず、この1枚で決める可能性があるのがいただけない」
「暴走する戦車感を出すのであれば、アレキサンダーのように盤面に干渉すればいいだけ。リーダーに特大のバーンを飛ばす必要はない
「深き森の異形などと違って、3コストで使っても優秀だから全てのロイヤルが積んできそうなのが嫌だ」
「ロイヤル側が必敗に近い形勢になったとき、ワンチャンを狙ってリタイアボタンの代わりにオルオーンを投げてきそう。それで負けたときのストレスは計り知れない」

などなど、否定的な意見もたくさん書き込まれていますよね。

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 これは前述の通り「好き/嫌い」のベクトルの話であって、個人個人の感じ方の違いがありますから、いくら理論を展開したところでどちらかがどちらかの意見を封じ込めるなどということは不可能なんです。いくら言い合っても無駄、とまでは言いませんが決着がつかない類の話です。

 

そしてその「弱いから別に問題ない派」「弱くても不快だから実装しないで欲しい派」が言い合っているところに「運要素が強くても、ロイヤル自体の勝率が飛び抜けなければ問題ない派」や「変身前(3コス)の性能と合わせて考えて、単純に強いからこのカードは嫌いだよ派」
などの意見がぐちゃぐちゃに混ざり合って、ようわからんことになってしまって、事態をややこしくしているのだと思います。

 

要するにオルオーンは「デタラメすぎではない」「ややデタラメ気味かもしれん」という、非常に微妙なラインの上にあるカードなんですね。
だからこそ論争が巻き起こっているわけです。

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●結局のところ

 

以上のことを踏まえて、じゃあ我々はどうすればいいのか
Cygamesさんはどうすればいいのか、という話をまとめにかかると

結局のところ「数字」「お金」という
ハッキリ目に見えて測れるモノ、指標を頼るしかないと思います。

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「《戦車》・オルオーン」というカードを刷ることによって
ゲームのプレイ人口が増加し儲けが多くなるのであれば
営利企業・株式会社Cygamesはオルオーンのようなカードをどんどん刷るべきですし

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逆に「《戦車》・オルオーン」というカードを刷ることによって
ゲームのプレイ人口が減少し、儲けが少なくなるのであれば
営利企業・株式会社Cygamesはオルオーンのようなカードを刷るのは控えたほうが良いでしょう。

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オルオーンのような運次第で強烈なリターンを得られるカードを刷ることによって、アニメ・シャドウバースから入ってきたような、カード資産や経験が乏しい初心者の方でも、カード資産や経験が豊富な上級者の方に勝てるかもしれない。いわゆる「ワンチャン」というものが生まれます。

対戦ゲームにおいて、「勝った」という体験は、一番簡単に「楽しい」と思わせることができるエッセンスですから、なにはともあれ(それが例え、ある人から見てどんなにしょうもない手段であったとしても、です)「まず"勝利の味"を覚えさせる」のは、とても大事なことです。

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そういう「企業戦略」によって、ゲームの人口が増えていく可能性も、十分あると思います。

 

しかしその反面
「オルオーンのバーンダメージで勝負が決まるのはつまらない」
「オルオーンのせいで、デッキ構築やプレイングを縛られてしまうのは窮屈に感じる
ランダム要素があまりにも増えてしまうようなら、シャドバではない他のゲームに移行したい」
と思って、シャドウバースを辞めてしまう方もいるかもしれません。

 

この「新規参入者」と「引退者」のどちらが多いかによって
Cygamesさんは今後どういう方針でカードをデザインしていくのか、を決めれば良いだけの話だと思います。

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そして顧客である私たち個人個人も単純に「面白いと思うか」「つまらないと思うか」でゲームを続けるか、続けないかの判断を下せば良いのです。

いやいやそんな簡単にやめるとかやめないとか決められないよ、納得できないよ、という方は、トマトが入ったサラダの項目でも言いましたが、公式HPから意見・要望を送るか、消費者庁などに相談することも考えましょう。

 

また個人でそういうことをしても効果が薄いと思うのであれば、署名を集めるなどというのも一つの手ですが
その場合、否定派の人数を増やすための説得と称して、肯定派の人をボコボコに叩いて言うことを聞かす、なんてことをするのは、ちょっと穏やかじゃないので、やめてほしいかなと個人的には思います。
暴走するのはオルオーンだけで十分です。

 

あとは17弾の全カードが公開されたら、またオルオーンの評価も変わったりするかもしれないので
少し落ち着いて、今は静観に回るのも良いかと思います。


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●まとめ

 

①相手が「強いor弱い」で語っているのか、「好きor嫌い」で語っているのか。話のベクトルを見極めよう。


②「好きor嫌い」で語っている人に、深く追求するのはやめよう。他人の「好きor嫌い」は変えられない。


③オルオーンというカードの登場で、運の要素が占める割合が「大きくなった」か「大きくなっていない」かは積極的に話すべき。でもこれも結局個人個人の感じ方で違ってくるよ。


④「オルオーンが嫌いなら将棋をやれ」って言うのはちょっと乱暴だよ。大体の人は将棋やりたくても適性が無いよ。


⑤大事なのは「塩梅」だよ。


⑥結局、資本主義・民主主義の社会でモノを言うのは「数」と「金」だよ。


⑦運営に抗議するのも、ゲーム続けるのも、そっと離れるのも全部個人の自由なので、とにかく自分の心の健康を保つようにしよう。

 

最後まで読んで頂けた方がいらっしゃいましたら、お付き合い頂きありがとうございました。この記事内で、少しでも「なるほどな」と思ってもらえる箇所があったら嬉しいです。

かなり走り気味で書いてしまったので、今後ちょこちょこ誤字脱字などを修正していく予定です。

 

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